
家の内と外のあいだに、ゆるやかな「間(ま)」をつくる。縁側は、日本の住まいが昔から大切にしてきた知恵です。靴を脱がずに腰かけて、風や光を感じながら庭をながめる。そんな場所があるだけで、暮らしの時間は少し豊かになります。
そして、その縁側を心地よい場所にできるかどうかは、実は外構で決まる部分が大きいものです。縁側から見える景色、そこへ至る道のり。庭にどんな素材を選ぶかで、内側から感じる家の心地よさは大きく変わります。
コンクリートは頼れる素材。でも、それだけだと少し冷たい
外構の定番といえば土間コンクリートです。泥はねがなく、草むしりも不要で、車も停めやすい。機能面でもコスト面でも、外せない素材だと思います。グレーのすっきりした質感は、シンプルな和モダンの家にもよく合います。
ただ、コンクリートは「硬くて、冷たくて、均一」な素材でもあります。敷地いっぱいに広げると、視線が止まる場所がなくなり、どこか味気ない印象になりがちです。
大切なのは、コンクリートを主役にするのではなく、縁側の外側に広がる「静かな土台」として考えること。そこに別の素材を重ねることで、はじめて表情が生まれます。
木を添えると、光と影のリズムが生まれる

コンクリートの対極にあるのが「木」です。たとえば門壁のそばやアプローチに縦格子を添えるだけで、無機質だった空間にやわらかな温もりが差し込みます。
ポイントは、板で完全にふさがず、細い格子を等間隔に並べること。隙間から光がこぼれ、時間とともに影が移ろいます。
コンクリートの面が「静」、格子の影が「動」。性質の違う素材が隣り合うことで、お互いの良さが引き立ちます。
石で、人工の直線に「いびつさ」を差し込む
もうひとつ、外構の印象を大きく変えてくれるのが「石」です。
コンクリートや舗装は、人の手で平らにならした「人工の直線」です。整ってはいますが、直線ばかりの空間に長くいると、無意識に窮屈さを感じることがあります。
そこで、あえて割栗石のようなゴツゴツした自然石を置いてみる。形も大きさも色もバラバラな石を積み、モミジやアオダモなどの繊細な枝ぶりの木、足元に苔や低木を添えると、里山の一角を切り取ったような景色になります。
整った面があるから、不揃いな石が際立つ。荒々しい石があるから、コンクリートのシャープさが引き締まる。京都の枯山水にも通じる、日本の美意識です。
最後に「黒」で輪郭を引き締める

グレー、ブラウン、青みがかった石の色。自然に近い色を重ねたあと、全体を引き締めてくれるのが「黒」です。
細い柱と水平ラインの美しいブラックのカーポートや、すっきりした黒のフェンスは、かつての日本家屋の「深い軒」や「縁」のような役割を果たします。落ち着いた色合いの中に黒の線が一本通るだけで、ぼんやりしがちな輪郭がくっきりして、現代的な和モダンらしい印象になります。
まとめ:家と街をつなぐ「心地よい余白」を
外構は、車を停める場所をつくったり、敷地を囲って防犯したりするだけのものではありません。
仕事から帰って車を降りたとき、格子の隙間からもれる光にふと気づく。玄関へ向かう道の脇で、季節ごとに色を変えるモミジと、それを支える石のたたずまいに目がいく。そんな何気ない瞬間に「ああ、帰ってきたな」と心がほどける。そうした余白をつくることが、外構デザインの醍醐味だと考えています。
- 手入れがしやすく機能的な「コンクリート」(空間の土台に)
- 温もりと光の移ろいを感じさせる「木」(暮らしにリズムを)
- 力強さと落ち着きをもたらす「石」(自然の景色を切り取る)
- 全体を引き締める「黒」(和モダンの輪郭を整える)
どれかひとつに偏るのではなく、それぞれの個性が引き立て合うようにバランスよく重ねていく。内と外をつなぐ『縁側』という場所を心地よく整えるためにも、外構の素材選びが大切な鍵になります。
岐阜で家づくりや外構のリフォームを考えている方は、ぜひティエラマヒカまで、お気軽にご相談ください。住まいをもっと好きになるヒントを見つけるお手伝いをいたします。